コミュニケーションに欠かせない対人認知
誰かと関わるときには、相手がどんな人かを無意識・意識的に知ろうとする対人認知から始まる。
対人認知の段階
対人認知には以下、上から下へ4段階ある。
段階 | 内容 | 反応の例 |
感情(情動)認知 | 相手の感情を表情や声のトーンなどから推測する | 「この人は今、怒っているようだ」 |
パーソナリティ認知 | 相手の性格を容姿・身なり・態度・他の人から聞いた情報などの限られた情報を基に判断する(パーソナリティの印象形成) | 「この人は、案外几帳面なようだ」 |
対人関係の認知 | 自分と相手との関係性(上下や好意など)を理解する | 「この人とは、なんだか反りが合わない」 |
プロトタイプ認知 | 自分の価値観や経験から、相手をあるカテゴリに分類して理解する | 「この人は車が好きだから機械にも強いのだろう」 |
対人認知により「相手がどんな人か」を理解すると、自分の関わり方が変わってくる。
実際の対人認知
実際コミュニケーションの場で行われる対人認知は相当に難しい。
対人認知の難点
- 感情(情動)認知:話し手が顔と声で異なる感情を表すこともある
- パーソナリティ認知:認知する側(こちら)の要因や相手との関係が強く影響するため、正確な認知が難しい
正確な認知をするためには→自分が他者のパーソナリティを認知するときの癖を知り、自己理解を深めること
パーソナリティ認知の癖の把握をしてみた!
実践として、わたしのパーソナリティ認知の癖の分析をしてみます。
「わたしはわたしをバッシングして論破した気になっているやつが嫌い。」
→論破どころかツッコミどころ満載すぎて相手にする気が起きないだけなのに調子に乗っているのが腹立つ。
→詰めきれていない理論で人を追い詰めた気になっているのがむかつく。
→「詰めきれていない理論」と「わたしの理論ではなくわたしの人格否定をしてくる」のが嫌。
→「考え足らず」と「わたしを見ず知らずの考え足らずに否定されるのが嫌」
→「低能なくせにドヤ顔で人格否定してくるのが嫌」:叩いてくるのは叩くしか能のない馬鹿だと思っているから
→わたしは自分が認めている人以外に自分の人格を否定されたくないと思っている。
=わたしのものの見方、炎上しているときのパーソナリティ認知
対人認知の留意点
- 相手の情報は相手の一部に過ぎないことを忘れないこと
- 相手の一部分を見て自分の価値観を加えてしまっているのを忘れないこと
- 相手の顔や体格、身なりなどの外見に影響されているのを忘れないこと
- 自分の経験により相手の印象が変化する(相手への印象には個体差がある)のを忘れないこと
- 一方的なものではなく、自己呈示しているのを忘れないこと
- 普段から自分の考え方や言動の傾向を客観的に知っておくこと
- 自分の感情や態度を意識的にコントロールすることができるようになっておくこと(自己覚知)
- 普段からよく接する相手でも「よく知っている」という思い込みを避けること
- 自分の非言語的な行動が持つメッセージを意識しておくこと
総括
対人認知を修正することは簡単ではないが、円滑なコミュニケーションのためには修正する努力が必要である。
参考