投稿理由
以下は全て、わたしが7月22日、急性期治療の最中にFacebookに投稿したもののコピーです。
なので「闘病記録」としては珍しく回顧録ではなく、闘病中に、心配してくれる仲間やお見舞いにきてくれる友人にどうしても伝えたいからと、震えながら書いたのを覚えています。
より多くの方にご覧になっていただければと思い、こちらにも掲載します。
投稿内容
これが私の最初で最後の闘病日記になることを祈りながら綴ります。お時間許せば最後まで目を通してください。
とりあえずこれまでの経過ですが
- 多発性硬化症と診断
- ステロイドパルス1回目
- 改善が見られず2日しかあけずに2回目のステロイドパルス
- 活動病変沈静化
- 1週間の経過観察中にで活動病変再燃
- 3度目のステロイドパルスを行い画像所見上沈静化も症状変化なし
- 血漿交換へ踏み切る
- 1~3回目の血漿交換(アルブミン製剤)
- 4回目の血漿交換(新鮮凍結血漿:FFP)でアナフィラキシーショックを起こして死にかける
- 偶然心電図から、先天性WPW症候群と診断
- 血漿交換中断も、基準値は除けたとして経過観察へ
- 右半身の有痛性強直性痙攣(PTS)と、夜間に起こる謎の全身痙攣、その名残りのような昼間の痙攣に現在効果のある薬を模索中
- 入院時からの胸郭の痛みと痺れ、今回の活動病変では説明のつかない左上肢の強直、左下肢の痙攣と感覚異常は現在も放置
この最後の方が今の私の状態です。
つらい、苦しい、痛い。
言葉にすると薄っぺらくて、教科書で得られる知識なんて役に立たなくて。
どうして私が。
何か悪いことをしましたか?
好きでこんな病気になったわけじゃない。
この苦しみが、痛みが、あんたにわかるのか。
弱音を吐けたのは、病気になって1ヶ月以上経ってからでした。
それでも、この病気になって良かったことが4つあります。
- 彼氏が婚約を決めてくれたこと
- 色んな人と出会えたこと
- 人の些細な優しさに気づけたこと
- 人を頼ることを学べたこと
そして、この病気になって、入院して、自分よりも重い病気の人とも出会って、思ったことがあります。
- 難病者は、健常者や自分を重症だと思っている人の何気ないひと言に深く傷つきます。
「薬が効きすぎて血便が20回も出たから重病人になったのよ」←(効く薬があるんだ…良いですね - 若さを理由にした励ましに傷つきます
「若いから病気なんて一時的なもの越えられるでしょ」「若いんやから頑張らんかい」←(若いからこの先一生これを背負うんだよ。頑張っても神経が繋がってないから動かないんだよ) - 難病者は、先が見える不安、先が見えない不安と常に闘っています。
- 頑張れ、諦めるなという言葉は、時にあまりにも残酷です。
- 私たち難病者は、人といるとき基本的にいつも笑顔です。それは強がりでも楽観的なわけでもなくて、今を精一杯生きているからです。それぞれに不安と恐怖を抱えながら、それでも精一杯、今を生きているんです。
私たちは難病者である以前に、心を持った人間なんです。
それをどうか、忘れないでください。We have heart and various kind of feelings as you have.
We are not just incurable disease patients, but humans as you are.
Please don’t forget it.
今改めて振り返って
最後の英文は、わたしが日本理学療法学生協会国際部のプレゼンテーション部署リーダーとして活動していたために、入院中でプレゼンミーティングに参加できないことを伝えた上で、海外の理学療法士を目指す学生に宛てたものです。
病気の詳しい治療経過は管理者情報や「多発性硬化症」カテゴリに載せてあります。
主張に関しては、今とそう変わっていない気がしています。
- わたしのように傷つく人が出ないように、言葉遣いには気をつけてほしいこと。
- 勝手な憶測や外見から判断しないでほしいこと。
- ひとの助けがないとどうしようもないこともあるということ。
- 周囲の言葉に敏感なのと同じくらい優しさにも敏感なので、受けた恩に対して言葉に表せないくらい感謝していること。
- 病人以前にひとりの自我をもつ人間であること。
それに加えるとすれば、
- 社会や世間から責められる以前に、自分自身を責めがちであること。
- 無力な自分を見限りそうになることが多々あること
でしょうか。
MSも各人によって症状が異なりますし、軽度~重度まで幅広いので、もしかすると最後の1つまで感じている人は少ないかもしれません。
ただ、わたしはMSになったこと全てを悲観しているわけではありません。
苦しみながら泣きながら笑いながら、それでも前に進もうと思うし、
そのときには、一人では前に進めない人の手を引いていこうと思います。
以上、ご覧いただきありがとうございました。