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発達障害系理学療法学vol.10~姿勢制御と筋緊張~

授業内容
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姿勢制御の特徴

姿勢シナジーの神経制御は2つのレベルに区別できる。

  • 第一レベル方向特異性(direction-specific postural adjustment)の存在
外乱と逆方向に筋活動が生じる姿勢制御の基本的な機能で、生得的なもの
生後1か月から背側筋で85%、腹側筋で72%の確率で生じている
  • 第二レベル微調整(fine-tuning)する機能の存在
方向特異性だけで対応できない、外乱の程度に基づいた微調整する機能で、経験的なもの
赤ちゃんは姿勢制御の調整を知らないだけ(fine -tuningができていないだけ。能力はもつ)

姿勢制御

人間の姿勢の定位には2通りある。それが

  • APR:視覚、前庭感覚、体性感覚などの感覚入力に応じて姿勢を制御する。
  • APA:視覚からの情報により、外部から刺激が加わる前に、外乱刺激を予測して姿勢を制御する。
故障など、止まっているエスカレーターを登ると転けそうになるのはこのAPAが働いているため

神経学的問題点の把握

筋緊張を評価するすることは、神経系の状態を理解する上でとても重要である。

病態と筋トーヌスの変化

病態筋伸展性筋被動性
痙縮亢進低下
強剛低下低下
小脳性筋緊張低下不変亢進
末梢神経障害亢進亢進

上記のような関係から、筋緊張を評価することが病態を理解することに役立つ。

→筋緊張の評価スケールが必要
→MAS

MAS;Modified Ashworth Scale

脳性麻痺児の神経学的問題点の把握には、Modified Ashworth Scale(通称MAS)を用いる。

MAS筋緊張の評価に用いる。通常は片麻痺に対するimpairmentの評価における、筋緊張の評価方法。
脳性麻痺児に行う場合、基本的な操作方法は成人のものと同じだが、患児がリラックスした状態かどうか確認する必要がある

MASの段階

  • 0:筋緊張の亢進なし。
  • 1:軽度の筋緊張の亢進を認める。引っかかりと消失があるか、もしくは可動域最終で若干の抵抗を認める。
  • 1+:軽度の筋緊張の亢進を認める。明らかな引っかかりがあり、可動域の1/2の範囲で若干の抵抗を認める。
  • 2ほぼ全可動域を通して筋緊張の亢進を認めるが、容易に他動運動ができる
  • 3:かなりの筋緊張の亢進を認め、他動運動が困難である。
  • 4固まっていて、屈曲あるいは伸展ができない。

 

低緊張の評価

脳性麻痺児の低緊張の評価には、様々な評価、見方がある。

  • スカーフ兆候:一方の手首をもって首に巻き付けた時に肘と首の間に隙間ができない場合陽性。
Andre-Thomasの方法と、肘が正中を越えなければ3点、正中線では2点、脇の下と正中の間では1点、反対側の脇に達すれば0点と、段階別に点数をつける方法がある。

 

  • 関節可動域の評価:低緊張児では全身の筋が弛緩しているように見えるが、一部の筋では拘縮のため関節可動域が亢進していることがある。手首足首を振り、その揺れを確認したり、heel to earなどを行う。
heel to ear:踵を耳につける検査法

整形外科的問題点の把握

関節可動域の評価は整形外科的問題点を把握する上でも役立つ。
一般的な関節可動域は新生児期には制限されているが乳児期には広がり、成人の正常可動域に近づく。ただ股関節外旋などの可動域は成長するに従って減少していく。

様々な変形・拘縮

筋緊張は変形・拘縮・関節可動域に影響し、さらなる変形を生じさせることがある。また逆に変形を通じて筋緊張を評価することもできる。

  • 股関節脱臼傾向にある児→股関節伸展外転可動域の制限が見られやすい
  • 反張膝が見られる児→下腿三頭筋の緊張が高いことが多い
  • 足関節内反→尖足が生じ、凹足が伴うことが多い
  • 足関節外反→扁平足、船底足変形が生じやすい

などの特徴があり、ひとつの症状を理解して終わってはいけない。

 

体幹変形

  • 側彎
  • 後彎
  • 後側彎など

 

股関節変形

  • 脱臼
    • 外傷性(関節包外脱臼)
    • 先天性(関節包内脱臼)
    • 痙性(股関節内転筋過緊張)
  • 大腿骨頸体角
    • 内反股(頸体角<正常頸体角)
    • 外反股(頸体角>正常頸体角)など

 

膝関節変形

  • 内反膝(O脚)
  • 外反膝(X脚)
  • 反張膝

 

足関節変形

  • 内反足
  • 外反足
  • 尖足
  • 凹足
  • 扁平足
  • 外反母趾など

 

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