はじめに
運動を決定づける内部モデルについて、特に随意と不随意運動の境目について綴る。内部モデルについては、神経系理学療法学でも扱う。
書け次第リンク→~~
内部モデル
- 外的キネマティクス:手をものの位置に運ぶ
ここまでは「運ぼう」という意識があるので随意運動
- 内的キネマティクス:手に付随する関節の角度(肘、肩の角度など)
ここからは「こう手を伸ばすのだから肘はこうで肩はこうで体幹は…」などと考えていない無意識の行動なので、不随意運動
- 筋の動き
手だけじゃなく全身を目的達成のために動かすが、もちろん意識して筋を収縮させているわけではないので不随意運動
逆モデル
内部モデルの中に存在するモデルのひとつ。
経験にもとづき、「このときにこうしたらこんな結果だったから、こうすれば…」と行動を逆算して決定づける。
順モデル
内部モデルの中に存在するもうひとつのモデル。
現状からパラメータを計算して、結果を予測し行動を決定づける。
痙直型(大脳基底核型)の場合
以前直接路と間接路に関してざっくりな説明になったので補足。
大脳基底核で問題の起こる痙直型脳性麻痺児の話。
直接路(ドーパミンの多いとき)
大脳基底核からのルートは線条体(運動は被殻、視覚は尾状核を通る)を通るが、
線条体のところでわかれて、被殻から淡蒼球内節を通って、さらに視床を通って運動野へ向かう。
運動野では興奮性の刺激により運動開放され、体が動きやすくなる司令が出る。
間接路
大脳基底核から線条体までは同じで、わかれたもう一方のルート。
被殻から淡蒼球外節を通り、視床下核を通って、淡蒼球外節に戻り、視床から運動野へ抑制性に働く。
視床へ、より上位に抑制、抑制するのを抑制、そのまた抑制…と働くので、最終的に抑制性として、勝手な動きが止まる。
小脳型の場合
小脳の構造として、
大脳皮質から橋核→小脳核→視床→大脳皮質でくるくると回る興奮性のルートが形成されている。
橋核から小脳皮質へ向かうルートもあり、この小脳皮質フィードバックを受け、場合によっては抑制性の信号が出る。
この抑制性刺激は、小脳核へ伝わってくるくるルートへと入り、抑制性が亢進されて抑制が高まる。