座位での運動発達
座位での運動機能の発達には、「抗重力姿勢」「重心移動」の発達が鍵となる。
特にupright(重力に抗して姿勢を立て直す)には
- 足を使って床面を押し、COPを前方へ移動させる
- 足を上げて床面から離し、COPを後方へ移動させる
という脚をコントロールする能力が必要になる。
抗重力姿勢と重心移動はこれを細かく言っているに過ぎない
抗重力姿勢の発達
- 3か月:支持なしでは前方へ倒れる。体幹部は屈曲し、支持する上肢は肩甲帯の内転と肘の屈曲を伴う。
- 4か月:体幹部の保持で座位が取れる。ただし上肢固定のための肩甲帯の内転が必要なため、上肢は使えない。
- 5か月:上肢の支持による独り座りが可能に。
- 6か月:支持なしの独り座りが可能に。
座位における重心移動の発達
- 6か月:座位保持ができる訳ではなく、頭部の回旋が伴う場合、重心が偏ると倒れる恐れがある。
- 7か月:片縁に偏った重心を保持するための、股関節の外旋や伸展のモーメントといった平衡反応が成熟し、静的な姿勢制御が可能になる。
座位から四つ這いへの姿勢変換
8か月:膝での支持が可能となり、座位から四つ這いへの変換が可能になる。
ただしこの姿勢変換には、座位での重心移動が十分発達している必要がある。
座位のレベル
座位のレベルについて、
- レベル2:座面を形成でき、座面上に体幹をもってこれる。
- レベル3:Uprightに座れる。
- レベル4:座位で体を動かせる。
脳性麻痺の座位
脳性麻痺の座位は、麻痺型によって様々な型がある。
- 痙直型両麻痺の座位:骨盤下肢の運動の未熟により上肢支持の座位を取る児が多い。このとき上肢を挙上させると体幹が前屈し、体幹部でバランスを保持できない。
- とんび座り:アテトーゼ型や痙直型両麻痺などの座位の不安定な児に多い。下肢の協調性がなくても可能だが、側方移動などが行いにくく座位動作の制限が伴う。
M字様に脚をぺたんと折り曲げる座り方
- 弛緩性麻痺:フロッピーインファントでは座位を取らせると過剰な前屈を取ることがある。