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高齢者理学療法学vol.2~加齢による体力(運動機能)低下および高齢者に対する運動機能測定法~

授業内容
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高齢者

前期高齢者:65歳以上75歳未満
後期高齢者:75歳以上

体力(運動機能)

体力は大まかに2種類ある

防衛体力

外界からの様々なストレスに対する抵抗力

例)体温調節、免疫

行動体力

外界に働きかけをして、様々なものを生み出していく力

例)筋力、バランス力、全身持久力

測定法

全身持久力

最大酸素摂取量無酸素性作業閾値(AT)を指標とする

  • 最大酸素摂取量1分間に取り入れることのできる酸素の最大量
酸素マスク有、トレッドミル最速でオールアウトまで測定する
  • 無酸素性作業閾値:運動強度を上げていっても酸素摂取量が増加しなくなる運動強度
測定時、オールアウトまではいかない

最大酸素摂取量と相関が高いパフォーマンステスト値(12分間歩行走行テスト、トレッドミル多段階負荷テスト)もよく用いられる。

高齢者の全身持久力テストは6分間歩行テストで行う。

6分間歩行テスト:6分間の歩行距離を測定するもの

以下に平均値を表で示す。

単位:m男性女性
60代572538
80代417392
ちなみに全身不随から立ち直ったわたしの6分間歩行テストの結果は555mでした(-_-;)

筋力

高齢者ではサルコペニアという加齢に伴う筋量の減少が問題となる。

サルコペニアの診断基準

2010年のEWGSOPのステージ分類は以下の通り

筋量筋力身体能力
プレサルコペニアor
サルコペニアor
重度サルコペニア

加齢による筋萎縮および筋力低下

低下しやすいのは、

タイプI(遅筋)線維<タイプII(速筋)線維
上肢<下肢
高齢者はすばやさが下がり転倒しやすい、と覚える!
若年に対する高齢者の低下率
握力で20~30%
膝ext筋力で50~60%

と、やはり下肢の低下が著しい。

高齢者の筋力低下は神経的要因の影響が大きい。

筋力の測定

全身的な筋力の指標は握力とする。

わたしも握力を回復基準にされたわ~(^_^;)

平均値は以下の通り

単位:kg男性女性
20~30代48.629.2
60~70代36.923.3
下肢筋力の代表としては、膝関節flex90度位での等尺性膝ext筋力の測定がよく用いられる。

Hand-Held Dynamometer:HHD:徒手保持型ダイナモメータ

  • 操作が簡便で可搬性に優れる
  • 固定用ベルトを使用してのHHD計測値は、信頼性、再現性が高く推奨されている。

膝関節ext筋力の平均値は以下の通り

単位:kg男性女性
20代5730
70代3621
80代no data14
注意

HHDによる等尺性膝ext筋力測定値に影響を及ぼす因子

  • 膝屈曲角度:浅い角度より90度の方が四頭筋が緊張していて働きやすい。角度が浅いと弛んでしまう。
  • レバーアーム長:膝関節中心からセンサーまでの長さ
  • 上肢、体幹の支持:せもたれなど
  • 固定:固定筋の代わり
  • 徒手抵抗での予備施行の有無:高齢者は1回目で充分筋力を発揮できない
  • 痛みの有無

トルクについて

レバーアーム長×筋力=トルク

例)

0.3m×20kg=6kgm

0.6m×10kg=6kgm

関節から遠くへ行くと発揮筋力が小さくなるので押さえやすくなる。
ニュートン(N)でトルク計算することもある

筋パワー

筋パワー:瞬発的に最大筋力を発揮する能力

筋パワーは筋力よりも加齢による低下率が大きい

なぜなら

  • 加齢による速筋線維の減少
  • 神経-筋協調性の低下

が大きいためである。

筋パワーの測定は立ち座りテストで行う。

立ち座りテスト:信頼性・妥当性が検証されている筋パワーテストの代表

number of stands protocol:決められた回数で立ち上がるのに要した時間

time protocol:決められた時間内に立ち上がれた回数

補足)

10回立ち座りテスト:10回不可能な高齢者が多い

5回立ち座りテスト:高齢者の筋パワーテスト◎

20秒立ち座りテスト:筋パワーテストというよりも筋持久力テストになってしまう

10秒立ち座りテスト:結果が粗くなる(大体8~10回くらいになる)

以上より、高齢者の筋パワーテストとしては5回立ち座りテストが推奨される。

5回立ち座りテストの平均値は以下の通り

20代5秒以内
60代10秒以内
80代12秒以内

平衡機能(バランス)

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