はじめに
木曜2限に開講される「日常生活援助学実習」についてまとめる。
テキスト:ADL PT・OTビジュアルテキスト
授業内容
4月11日:オリエンテーションとADLの概念
ADLの概念と範囲
昔:感染症への対応
↓公衆衛生の普及、生活習慣病予防
近代:慢性病への対応
↓
現代:病気をもちながら生活する人が増えたため、病気を持ちながらでも暮らしていけるような、生活支援、社会活動支援を含めた考え方
- ADL:日常生活活動または日常生活動作。すべての人に共通して必要で、生活において基本的で反復される動作。自立した生活を営むために必要な能力。
- IADL:ひとりで暮らしていくためのADL。金銭管理なども含む。
ADLのチェック項目は以下参考↓
(図:http://www.shizuokai.or.jp/riha-fim.htmlより)
APDL:日本リハ医学会が提唱
ADL、IADL、APDLなどの範囲については以下の図参照↓

DSC_0051
ICDとICF
- ICD:国際疾病分類(1900)、第12版が最新。健康状態(疾病、変調、障害)を分類。医師が使う診断に使うようなもの。
- ICF:国際生活機能分類(2001)。疾病などに関わらずすべての人を適応範囲とし、健康状態に関連する生活機能分類のために用いる。リハビリや保険関係の職業の人が使うことが多い。
ICD
↓
ICIDH:疾病を基盤とした医学モデルの分類の立場で、「できない動作」への評価が中心
↓
ICF:社会モデルを基盤として健康構成要素の分類の立場をとり、障害を主として社会によってつくられた問題と捉えている。「できる動作」と「できない動作」の両方を評価。2001年にICIDHの改訂版としてWHO総会によって採択された。
ICFは使いづらいため、ICFコアセットという簡単に使えるようにするためのものもある。
ちなみに授業で解説されていた本はこれ↓
人種なども含めたグローバルな比較ができるためとても便利なツールではある。
こんな感じ↓
(図:http://www.ekouhou.net/%EF%BC%A9%EF%BC%A3%EF%BC%A6%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%87%A6%E7%90%86%E8%A3%85%E7%BD%AE%E5%8F%8A%E3%81%B3%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%81%9F%EF%BC%A9%EF%BC%A3%EF%BC%A6%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/disp-A1,2004046966.htmlより)
背景
公衆衛生の改善などにより、20数年平均寿命世界トップクラスの日本
→高齢者が急増。老年症候群対策が課題に
量的評価と質的評価
量的評価
- 段階づけを点数化(順位づけなども)
- BIやFIMを使用
- 目的
- ある時点でのADL状態を客観的に記録する
- 継続的な評価で経過を客観的に観察する
- リハビリテーションの効果を判定する
- 他職種への情報伝達を容易にする
質的評価
- 動作の手順や動作方法について観察し分析することを通し、ADLを評価(動作分析など)
- 目的、何を見ているのか
- 動作ができない理由を発見し、プログラムの立案に繋げる
ADLと環境
リハビリ室と病室、また自宅では動作の環境が異なることも多々ある。
例)部屋の構造やスペース、障害物の有無、家具・手すりなどの福祉用具の有無など
チェック項目
- 寝具:布団orベッド、ベッドの高さ、マットレスの硬さなど
- 手すり:有無、付いている側など
- 床:フローリング、畳など
- 部屋・廊下、広さ、壁、家具などの設置状況など
- 部屋の出入口:スライド式or押し・引き式など
- トイレ:和式or様式、座面の高さなど
- 風呂:滑りやすさ、浴槽のタイプ(埋め込み式か設置式かなど)
- 段差:部屋と部屋の境目や浴室への段差など
- 玄関:広さ、「たたき」の有無とその高さなど
できるADLとしているADL
- できるADL:頑張ればできる最高のADL
- しているADL:実用レベルのADL