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【片麻痺経験者にだけ意味とありがたみのわかる】ラップケース開け器の作り方

リハビリについて

こんにちは、はるかです。

最近手が動くタイミングでろくにTwitterも開かず何をしていたかというと…

片麻痺でも開けられるラップ箱の開発

へ全力を注いでいました。

厳密には他の開発もあるので全力…?ですが汗

なぜ今「ラップ箱の開発」?

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疑問に思う人

なぜ今「ラップ箱の開発」?

と思う人もいると思うのですが、実は4年前?から常々

はるか
はるか

自動で開くラップケースがあればなあ…

とは考えていました。

ただいろいろな案を考えすぎて行動を起こせず…

そうこう迷っているところへまた片麻痺になってしまったので、

はるか
はるか

あ、これは迷ってる場合じゃない!

とようやく開発者魂に火がつき、とりあえず行動に移すことにしてみました。

はるか
はるか

遅いですね、はい。
反省してます…

誰にも理解されない「ラップ箱を自動で開ける」必要性

設計図すら描けない片麻痺状態のときに思い立ったことなので、まずは家族に構想を相談しました。

すると第一に返ってきたのは、

それ、どうして必要なの?

でした。

当然です。

たぶん健常者にはまったく想像つきません。

さらに、

わたしが知らなかっただけで、世の中には「開閉するだけでラップが切れるラップカッター付きケース」がすでに販売されていたのです!

なんと無印良品にもカインズホームにもあったのです…

はるか
はるか

とても身近…かもしれない…?

でもこれは、わたしの求めているものとまったく違いました。

わたしが求めているのは、誰にも必要性を理解されないほどマイナーな悩みを解決するための「自動で開くラップ箱」です。

注目されないラップカッターを「開ける難しさ」

ものすごくマイナー、というかマイノリティすぎて販売企業からすれば開発コスト・製造コストが高すぎ、商品自体も高くなるので誰も買ってくれない…から作る意味がないとの位置づけにあるのが、

片麻痺患者でも開けられるラップケース

です。

くるっと回してすぐ切れる!がウリの某クレラップはくるっと回さないと切れないし、

他のラップもとにかくラップケースを開いてラップを取り出さないことには何も始まりません。

ものすごく当たり前なことから話しますが、

 

ラップを切るには、ラップケースを開ける必要があります。

 

基礎すぎて誰も気づいてくれないし、
気づいてもまさか「開けられない人がいる」とは思わないし、
思っても「その人のために商品を作ろう!」とはならない…

待ち受けていたのは多数決で資本主義な世の中でした。

自動で開くラップケースの「不必要性」

あ
現実的だけど短絡的な人

開けられない人は開けられる人に開けてもらえばいいですよね!

はい、こういう考えで介護業界の人手不足は加速していきます。

はるか
はるか

「ラップの箱開けて」だけでヘルパーさん呼ぶのは気が引けるし、介助費用もかかるし…

 

いろいろ考えて、本気で困ってどうしようもない人は結局「ラップを使うこと自体」を諦めていきます。

その諦めをなくすために、わたしは自動で開くラップケースを作りたいのです!!

人体構造から見た「前腕の回転」の難しさ

ここはわたしの「全身不随からの復帰体験」を多分に含んでいます

人体構造を少しでもかじればわかることですが、上腕~前腕(肘関節と前腕)の動きのなかで最も難しいのが「ひねり」です。

専門用語では「前腕の回内・回外」と呼びます

 

やりにくい動きランキングでは

  1. 回内・回外(前腕をひねる)
  2. 屈曲・伸展(肘の曲げ伸ばし)
  3. 外旋・内旋+外転・内転(腕を水平に動かす)

と、ラップ箱を開けるようなひねり動作はダントツの1位を誇ります。

「外旋・内旋+外転・内転」と表記しているのは、どの関節に注目するかによって呼び方が変わるためです。
重力を受けない方向へ動かすことだと伝わればOKです!

人体構造からみた「ラップケースを開ける」難しさ

ではラップケースに戻りましょう。

クレハカット、めちゃくちゃ便利なんですよ?

便利なんです。健常者にとっては。

他のラップと比較しても(あくまでわたしの意見として)とても便利だと思うんですよ。

ですが一度でも腕が麻痺した人間にとっては…

腕の動き難易度第1位の「くるっと回転」まで復活できるかは…

多くの医療者が断言してくれるでしょう。

個人のリハビリ努力量&自己回復力

によります!

はるか
はるか

くるっと回転ができない人間にとって、あれだけ便利なクレハカットって敵になるんですね…

と、腕が麻痺する度に思うんです。

だって一気にくるっと回転しないと斜めに裂けていくんですよ?

想像つかない人は他のラップの開け方と同じように、クレラップで端からラップを切ろうとしてみてください。
はるか
はるか

なのでわたしは今はサランラップ派です(どうでもいい情報)

一度でも腕が麻痺した人間にとって、

  • 一気に動かす
  • 一度に動かす
  • 一か所に力を入れる

こんな動きはとても難しく、

部分的に力を入れていくことで、麻痺で落ちた筋力や機能を補って生活しています。

麻痺ではなく、加齢で筋肉の機能の低下した人もそうです。

はるか
はるか

だからクレラップ以外のラップが絶滅しないのかな~とも思っています。
クレハカット自体は「お年寄りにもできる」もウリですので、きっと筋力低下や機能低下だけでなく「慣れ」の問題もあると思うのですが…

そういった理由はさておき、とにかく「くるっと回転はしづらい」のです。

 

さらに加えて、一旦腕が麻痺すると「ゆっくりでも回転は難しくなる」「回内・回外できるほど回復するかはわからない」ので…

 

え?「回転」を補うって、どうします?

 

実は…

 

「前腕を回す」動きには、代わりがありません(経験者談含む)

 

まあ一生懸命やろうと思えば肘や肩を使って似たような動きを再現できないことはないのですが、それは「動作として」頑張ればできないことはないレベルのお話であって、

ラップケースを開けるには相当不向きな動きになります。

一度腕の麻痺した人間にとって

  • 「ひねる・ねじる」はほぼ不可能
  • 前腕を回転する「難しい動き」は本気で難しい!

これはなかなか理解されないところです。

 

自動で開くラップケースが生まれない背景として「生産コストの割に収益が少ない」との企業側の考えの他にも、やはり

  • 片麻痺経験者などがユーザーであり需要が少ない
  • 「開けられないとは思わなかった」との無知や偏見
  • 知っても「誰かにやってもらえば?」と言われて終わる

などの要因が重なっているのは否めません。

だからこそ「ラップを切るのを簡単にする物は生まれても、ラップケース開けること自体を簡単にする物は生まれない」現状があります。

はるか
はるか

検索しても麻痺患者用には何も出てきませんでした。
このネット時代に!

既存製品ではクリアできない「開ける難しさ」

どれだけ難しいのか、3種類のラップケースを例に説明していこうと思います。

はるか
はるか

たぶんこれを聞いてもらわないとなぜここまで悩んだかが理解できないと思うので…

読むのがめんどくさい人は「目次」で読みたい項目を選べばスキップできますよ!

紙製ラップケース

あまりクレラップクレラップ言っていると回し者っぽくなってしまうので、ここらで別の写真にしてみました(笑)

さて、見慣れた紙ケースのラップ。

自動で開く?

そんなわけはありません。

軽さが特徴ですが、上下をきちんと持って、箱の上側を回さないと開きません。

切るときもコツがいります。

押さえてねじってキレイに刃を当てる。

ここの「ねじり」を不要にしたのがクレラップですが、

そもそも全ラップ共通して紙製のラップケースには箱を開いて閉める動作に「回内・回外」がある上に、

「くるっと回転」でさらに「回内」を要求してくるので、

麻痺患者にとっては優しくない印象です。

けなしているように聞こえるかもしれませんが、健康なときにはとっても重宝していたんですよ…

基本的に、全紙ケースラップ共通してそもそもの開閉に「回内・回外」が必要なので、麻痺患者にはかなりきついです。

はるか
はるか

少なくともわたしは麻痺から復帰するごとに「またラップ開けられない…」と苦戦します

「すぐに切れる!」ラップケース

「閉じるだけですぐに切れる!」と1番認知度が高いのは、テレビで特集までされたカインズのこの「スパッと切れるラップケース」ではないかと思います。

専用ラップでないと切れにくい……との注意書きや評判はさておき、

これもそもそも「開けて閉める動作に回内・回外が要求される」商品です。

あくまでラップが上手に切れない人のために作られたものであって、
ラップを使うこと自体に難がある人向けに作られたものではありません。
はるか
はるか

それだけでも十分すばらしいので、目的が違ったというだけのお話ですね

スライド式にカッターが付いているものもあります。

6
解決した気になっている人

これなら切るときに余計な回内はいらないよね!

と思いがちですが、

やっぱりそもそもラップを引き出すときにラップケースを開閉――つまり腕を回内・回外する必要があります。

さらにプラスチック製などは紙より重いため、紙より強い力が必要です。

3
腕の麻痺経験がある人

強い力……麻痺患者に求めないでください……

当然そうなるので、やはりこうした便利グッズも…

非常に残念ながら、片麻痺など腕の麻痺経験がある人にとっては優しくありません。

もはやケースじゃないラップカッター

3
考え疲れた人

そんなに回転が嫌ならまっすぐなまま切れるものを探せばいいじゃないか!

はい、わたしもそう思います。

そして実際にあります。

業務用の大型ラップカッター

セロハンテープの巨大版。

もう究極これを勧めるしかないんですよ。

ただし使用時には注意点があります。

両手でラップを引き出さないと、ぐちゃっとまとまって切れません。

  • 保管にスペースを取り
  • 軽々しく設置場所を変えられるほど軽くなく
  • 結局両手が器用に動くことが必要とされるもの

それを、わたしはいち麻痺患者として勧められません。

ラップ箱の作り方

既製品に対してこれだけの不満を抱えていたため、ようやく製品制作に乗り出しました。

しかし自動制御となると設計図の複雑性やモーター制御による荷重、トルク計算など、医学系のわたしには手に負えない事象がたくさん出てきました。

業者委託となると金銭的問題も当然発生しました。

そこでまず小学生の工作レベルで試してみることにしました。

完成品と材料

かなりずさんな出来になってしまった完成品をご覧になればわかるとおりですが、材料は

  • 空いた豆乳のパック
  • ビニールひも
  • セロハンテープ
  • ホッチキス
  • 紙製のラップケース本体

以上です。

作り方

工作レベルだけあって作る手順はとても簡単です。

ただし麻痺患者本人がやるのは非常に難しいので、作るところは周りの人がやってあげてください
  1. 豆乳パックを「1辺が最低5cmの正方形」と「幅5mm程度の短冊状」の2つに切る
  2. ビニールひもを適当な長さ(30cm程度が良いかも…)に切る
  3. ビニールひもの片端は固結びする
  4. 「正方形」の豆乳パックを2つ折りにし、ハサミで横長に穴をあける
  5. ビニールひもの結んでいない方を4の豆乳パックの穴に通し、固結びする(持ち手完成)
  6. 固結びしただけの方のビニールひもをラップケースにホッチキスで固定する
  7. ホッチキスで固定した上に1の「短冊状豆乳パック」をセロハンテープで貼る

手順自体はこれだけです。

<重ねて注意>
握力、ピンチ力、指の巧緻性がかなり必要なので、本人が作るのは本当におすすめできません
ただ1度作ればしばらく保ってくれるのでご紹介しました。
具体的な期間は調査中ですが、数十回では潰れていません。

作るときのポイント

工作レベルとはいえ、これでも一応作り方のコツはあります。

以下は作るときの注意点です。

はるか
はるか

わたしは作ってみてからかなりのパーツを削りました。もしも作ろうと思う人がいたらですが、無駄がないようお伝えしておきます

  1. 牛乳パックなどでもいいけれど、豆乳パックの方が頑丈で良い
  2. 「持ち手」は正方形でなくてもいいけれど、とにかく大きめの方がつかみやすい
  3. 「短冊」は幅が広いと力点がラップの回転軸に近くなるので狭めが良い
  4. 「短冊」は幅が狭すぎると強度的に良くない
  5. ビニールひもをホッチキスで止めるときは、ホッチキスの幅にビニールひもがおさまるように気をつける
  6. ビニールひもは長いほど力が少なくて済むけれど、長いほど扱いづらい

やらかした失敗とは別に注意点を語るとしたらこれくらいになります。

作り方の手順に寸法を書いているのはこうした失敗経験からです

 

ビニールひもを約30cm程度としたのは、人間の胴体を正面から見ると30~50cmになることが多いからですね。

ただ実験的には体格ギリギリにするよりも、自分の腕がどこまで動くのか確認したうえでやや短めにしたほうが良かったです。

動画では約30cmですが、これはわたしが右手と左手の距離を30cm取れるからです。
胸の前で握り込んだ拳状態のまま腕が硬直しているなどの片麻痺によくある姿勢では、持ち手を硬直している手に握り込ませたとしても20cm程度が良いかと思います。

ラップケース開発までの失敗談と改善点

とにかく「前腕を回さずに開閉できるラップケースを作ろう!」と躍起になった結果、いろいろな設計図を描いてパーツを作ってはすべて破棄…となりました。

はるか
はるか

上の写真は腕が麻痺しながら描いたもののひとつです

また改良できる点もたくさん見つかりました。

回内・回外いらずで開閉するラップケースの失敗作

自動開閉が目的のため、はじめは「開ける側」と「閉める側」に1本ずつひもをつけました。

しかし紙パックには可塑性があり、開くとある程度まで勝手に閉じてくれるため「閉める側のひも」は不要でした。

また回転力を増すために滑車を取り付けてみました。

豆乳パックを選んだのは、牛乳パックや厚紙同様の強度があり、かつ裏面がつるつるしており摩擦が少ないからです。

しかし実際にやってみると滑車はほとんど回りませんでした。

そこでよりスムーズに回して開けやすくするために必要なトルクを考えると、滑車をさらに大きくする必要がありました。

でもそれは

  • 収納するうえであまり実用的ではないこと
  • 強度の面で不安があること

などからボツ案となりました。

紙ケースよりももっと重い素材であれば紙よりも強い素材の滑車を付けて良かったのでしょう。

ただ紙程度であれば直接引っ張った方が力をうまく伝えられるとの結論に至りました。

様々な工夫を経たうえでの「 Simple is best 」だったのです。

使用する上での改良点

もちろんこれが完成形というわけではありません。

ただ一旦このまま使うとすると、気になった点はやはり強度でした。

 

ホッチキスで止めた程度だと力が一点集中するため、傷みが早くなります。

そのため短冊状の豆乳パックを上から貼り付けて力をうける面積をを分散させていますすが、この短冊のあまり幅広く取るわけにはいきません。

作り方の注意点3の「トルク」ですが、短冊の幅を広げると回転トルクまで減少させてしまうからです。

なので出来るとすれば裏面の補強ですね。

ラップの箱のふた部分の裏面に豆乳パックや牛乳パックで補強をすることで、ホッチキスで集中した力に一定期間は耐えられます。

ただ重くなりすぎると必要な力が増えるので、裏面すべてに厚紙(豆乳パックなど)を重ねるのではなく、ラップケースの奥行きにサイズを合わせた正方形程度の大きさで一部に貼り付けるのが無難かなという印象です。

赤い線の中を裏から補強するイメージです。

次の課題「ラップ箱自動開き器」

ラップケースを自動開閉できるとしたら、健常者もラップの入れ替えが楽になり、とても便利になるはずです。

今のところユーザー層を「麻痺経験がある人」に絞って考えていますが、きっとそんな人だけでなく使えるはずです。

本当に便利なものはみんなが使いたいはず。

それは障害者・健常者問わずです。

はるか
はるか

それがユニバーサルデザインですよね

次は完全自動化に向けて頑張ろうと思いますが、正直に言って今の私の体調でプログラミングや力学工学をガチで勉強するのはかなり時間がかかります。

このページで申し訳なくも登場させてしまったクレラップさん、ポリラップさん、わたしの最も使い慣れたサランラップさんや業務用ラップさん……

たくさんのラップメーカーの方、共同開発のご依頼お待ちしております。

当サイトで私が発案したものにはすべて著作権があります。

先に特許取得を行っている場合もございます。

商品化の際は必ずご連絡ください。

はるか
はるか

個人用として商用目的以外で作成される場合には、どうぞやってみてくださいね(^^)

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    まぁるいせかい管理人
    はるか

    考察家。作家。開発者。多発性硬化症+希少難病+先天性心臓奇形などをもつ障害者。病歴や薬歴は多すぎるので管理者情報参照。今までにないものを創るお仕事。京大医学部を病気により中退。ケアストレスカウンセラー、保育士などの資格をもつ。

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