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臨床運動機能学vol.3

臨床運動機能学
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偶力

剛体に加わる力

平行で一点に同じ力→静止

と高校物理では習うが、これは力が働く対象が質点(質量0大きさ0の点)の場合であり、現実にそんなことはほとんどない。

大きさのある物体に働く力を考えるときには、力の大きさや向きとともに力がどこに働くのかを考えなければならない。

→身体内の重心?

→BOSへの投影点?

身体の運動は筋肉でなく偶力で支配されている!

 

 

COGとCOP

歩き出しのCOGとCOP

COGとCOPの位置(バランス)が、全ての姿勢での運動の「方向」を決める。

たとえば立位において、身体重心を床面に投影した点(図中の青バツ印)とCOPの位置を考える。

静止立位では、COGとCOPのバランスが取れているが、歩き出し時にはCOPが後ろに下がることがわかっている。(軌跡の測定:図中の赤矢印)

正常な静止立位では、(加重平均として考えると)つま先部分に60BW、かかと部分に40BWかかっている。

BW:Body Weight、体重

その(てこの反対側にある)60BWを支えるために、下腿三頭筋が収縮している。COPとCOGの関係が安定しているのはこのおかげである。

歩き出し時には、下腿三頭筋の収縮が消えるためにかかと部分への荷重が増え、COPが後ろへ下がる。

COPがCOGよりも後ろへ下がることで、前へ進む力(偶力)が生じる。

これによって、人は静止立位から歩き出すことができる。

正歩行:重心がBOSから外れない歩行

動作分析

どこに注目するかが重要
  • 上半身があまり揺れない
  • 足あまり上がらず床にするときがある…など

着眼点や分析者(中枢神経系を多く診ているか、整形疾患を多く診ているか、など)による。

 

COGと関節モーメントの関係

姿勢から、関節にかかる力を予測することができる。

例)股関節にかかる力→上半身の重心からの重力(の延長線)に下ろした垂線の線分の長さ(モーメントアーム)で比べる。

 

 

上の図より股関節屈曲すると膝(大腿四頭筋)が緩む。

 

COPと関節モーメントの関係

「上半身を立てて(普通に)歩く」と「上半身を前に倒して(腰曲げて)歩く」との違い

→曲げた方が重心が前にいくので、倒れないよう安定性のため股関節伸筋(ハムストリングス)をより使う。

姿勢保持はヨットの帆と同じ。前に倒れるなら後ろの筋(背筋、ハムスト、下腿三頭筋など)を使う

棒を縦に、掌や指に乗せてキープするために、土台となる手を小刻みに動かすのと同じ↓(出典:PHOTOHITO

ボールや枡(ます)などを開いた傘の上で転がす"傘回し"、口に咥えた棒の先に茶碗を立てる"五階茶碗顎"などの日本古来の太神楽曲芸も鑑賞することができます。

このように、COPのコントロール(写真でいうと「指を動かして棒のCOPを棒のCOGに対応するよう移動させる」こと)が姿勢の安定性に寄与している。

 

つまり、COGやCOPにかかる力の関係が筋肉の使い方を決めている

よって姿勢観察が重要となる。

四つ這いで「四つ這いの高さを変えないように右手を上げて」と言うと、COGを動かさないようにするため、左足を上げてCOPが動かないように対応する。

→繰り返された経験による運動スキル、内部モデルに基づいてコントロールされた動き

 

おまけ

参考:パラメータ励起…先生の話から

例)ブランコを漕ぐとき

後ろのとき膝曲げて重心を下げる=「身体重心をおもりと見立てた振り子」の足(鎖の結び目から身体重心までの距離)伸びる=位置エネルギーは低く、運動エネルギーに変換して加速する。

前のとき膝伸ばして重心を上げる=振り子の足縮む=運動エネルギーを位置エネルギーに変換し、より大きな力学的エネルギーを得る。

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