広告
広告

運動器リハビリテーション学II~整形・肩~

授業内容

はじめに

水曜5限の運動器リハビリテーション学について、上肢の、特に肩のスポーツ障害について、以下のポイントを中心にまとめる。

  1. 投球障害肩の初期に見られる肩甲骨の位置異常と運動障害
  2. 関節内インピンジメントとは
  3. SLAP病変とは
  4. Bennet病変とは
  5. Little Leaguer’s shoulderとは

 

授業

スポーツ障害と外傷

  • スポーツ外傷急激に大きな力が働いて生じる
  • スポーツ障害動作の繰り返しによって損傷される

 

発育期スポーツ障害の特徴

発育期のスポーツ障害の特徴として、筋膜付着部よりも骨軟骨の障害が多い

例)野球骨軟骨障害筋膜付着部障害
高校野球24.1%75.9%
少年野球92.4%7.6%

 

投球障害肩:Painful Throwing Shoulder (PTS) syndromeに生じやすい障害

図:https://www.nos-arts.com/treatment/orthopedics/disease/baseballより

  • コッキング期:肩関節前方不安定症、関節内インピンジメント、SLAP病変
  • 加速期:肩峰下インピンジメント、腱板断裂
  • 減速期:SLAP病変、有痛性Bennet病変
  • フォロースルー期:肩甲上神経絞扼障害
このページで触れていない上記の障害については、余裕があれば追記

 

 

投球障害肩の初期に見られる肩甲骨の位置異常と運動障害について

「投球障害肩の初期」は上図でいうと後期コッキング期までにあたり、この時期に見られる肩甲骨の位置異常→運動障害

  • 肩甲骨周囲筋の疲労による、malpositionとdyskinesis→痛み、腱板筋への負担増
  • 外旋、内旋のバランス不良
  • Steeringが不十分→肩関節上方部への負担増、関節内インピンジメントなどの誘因に
  • Resting positionで患側の肩甲骨が下降
  • 烏口突起に位置が変わる→肩前方疼痛
  • 肩甲挙筋のtensionの増加→肩後方疼痛

である。

 

関節内インピンジメントとは

腱板の大結節付着部(棘上筋、棘下筋腱)が垂れ込んで挟まれ、関節窩の後上方部と衝突すること。

腱板の関節面断裂などを生じ、SLAP損傷とも合併しやすい。
投球動作では多かれ少なかれ起こっているので、程度の問題

 

SLAP病変とは

コッキング時(上げた脚を下ろして腕を最大限ひねり、ボールを手放す前までの時期)のpeel back現象や、ボールリリースからフォロースルー時の二頭筋長頭腱への牽引力が原因とされる。

テークバック(反動をつけるために腕を後ろに引く)、ボールリリース時に、肩の奥に痛みや引っかかり感を感じる。

 

peel back現象

概要

肩の外転、外旋時に、二頭筋腱の牽引方向が後方からシフトするときにツイストも生じてしまい、関節唇の後方上部にねじれの力が加わってしまう現象。

この現象がある場合、前方不安定性と後方の硬化を念頭に置く必要がある。

内旋筋、外旋筋のアンバランスや後方の硬さがある場合、コッキング期で上腕骨頭の求心位での保持が不十分になり、peel back現象は助長される。

 

治療

基本的に保存治療。難治例は手術を考慮。

手術は剥離部周囲の変性した関節唇や肥厚した滑膜のデブリドマン(切除と洗浄)に、上腕二頭筋長頭腱付着部の縫合と固定。

手術の適応についてはまだ議論が多い

 

Bennet病変とは

関節窩後縁の骨性増殖のこと。

ボールリリース時に後方関節包にかかる牽引力、骨頭の後方亜脱臼による刺激が原因と言われる。

腋窩神経を刺激することがある

 

Little Leaguer’s shoulderとは

概要

成長期の上腕骨近位骨端に過剰な負荷がかかって起こる、骨端線離開

過剰な負荷:フォロースルー(投球動作後の、最後まで手脚を振り切る動作)で引っ張られているのかも?

 

進行度

  • 初期:外側のみの骨端線開大(離開してはいない)
  • 進行期:骨端線全体の開大、骨幹端の吸収(完全に離開)
  • 終末期:離開した上に骨頭の滑りが見られる

 

治療

  • 基本的に保存治療
  • 圧痛、最大外旋時の疼痛が消失し、X線像で開大した骨端線が正常化するまで投球を中止
  • 骨端線の濃淡不整像が均一化するまで経過観察
  • 修復に要する期間
    • 初期例:約3か月
    • 進行期、終末期例:5~7か月
広告
タイトルとURLをコピーしました