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運動器リハビリテーション学IIvol.3~整形・肘、体幹~

授業内容

はじめに

水曜5限の運動器リハビリテーション学について、上肢の、特に肘と体幹のスポーツ障害について、以下のポイントを中心にまとめる。

  • 少年野球肘の予防
  • 外側型少年野球肘の病態と治療法
  • 脊椎分離症とは何か、どこが分離し、急性期の治療法は。
  • 鼠径部痛症候群の治療

 

授業

野球肘について

野球の投球動作の際には、肘関節には、外側に外反ストレス、内側に牽引力が働き、特に外側には上腕骨小頭に橈骨頭からの圧迫力と剪断力が加わることになる。

 

内側野球肘は別名、内側の骨端核障害。治療は圧痛が消失するまでの投球禁止と、ストレッチング、筋力強化となる。
外側野球肘は別名、肘関節の離断性骨軟骨炎。

 

少年野球肘の予防

 

外側少年野球肘の病態と治療法

外側少年野球肘は内側ほど多くないが、重症に発展しがちなので気をつける。

 

病態と治療

45度肘屈曲位正面像で診断する。
超音波で診断する際には、肘関節伸展、前腕回外位で肘の下に枕をおいてプローブを当てるか、肘完全屈曲位で長軸方向にプローブを当てると、橈骨頭が上前方に移動するので、小頭の観察がしやすくなり診断できる。

 

透亮期
  • 骨端軟骨下骨の一部にX線像で淡い透亮像あり
  • 投球動作で軽い疼痛あり

  • 1年程度の投球禁止
  • 肘に負担のかかるADL動作を制限
  • 定期的なX線像チェック
  • 透亮像の消失を待ってからスポーツ復帰

 

分離期
  • 骨軟骨片が弁状に分離、ただし完全に分かれず、一部は母床との連続性を維持
  • 運動時に疼痛が強まる
  • 軽度の肘伸展制限が生じる

  • CT、MRIなどで病変の安定性を検討し、保存療法か手術かを選択

 

保存療法:投球禁止(ノースロー)が原則
橈骨頭の肥大、橈骨成長軟骨の早期閉鎖は保存療法失敗の危険因子となるので気をつける

 

手術:骨穿孔術、骨釘移植術、楔状骨切り術

 

遊離期
  • 骨軟骨片が完全に母床から遊離
  • 可動域制限あり
  • 遊離した欠片が嵌頓、ロッキング症状を示す

  • 症状のある者、特に野球続行希望者に手術適応
手術:遊離体摘出、骨軟骨移植術、骨膜移植術、培養軟骨細胞移植術

 

脊椎分離症

脊椎分離症とはーどこが分離するか

  • 腰椎椎弓を形成する、上・下関節突起の間の関節突起間部の連続性が断たれた状態
  • 大多数の症例では、青少年期の過度のスポーツ(特に伸展や回旋による負荷が繰り返し関節突起間部に加わって生じるストレス骨折)が原因とされる。
  • 第五腰椎に多い。
腰椎ー仙骨移行部は急に脊椎の硬さが変わり、柔らかい方の腰椎に影響が出る
若い脊椎板は粘弾性が高く、脊椎間部はたった0.75cm^2で集中する体のストレスを支えることになる
  • 発症には遺伝的要素も関係していると言われている。

 

日本人の有病率は約6%、スポーツ選手では一般人に比べて約3倍かかりやすく、プロ野球選手では54%が有していると言われている。
分離部の組織所見は関節の偽関節の組織所見に類似
厳密にはストレス骨折が偽関節化に至ったものが「脊椎分離症」だが、一般的には「初期のストレス骨折から偽関節化」までを含めて言う。
発展すると脊椎すべり症になる

 

脊椎分離症とはー急性期の治療

青少年期の場合

腰痛が生じて間もなくであれば保存的治療の効果も期待できる。その際はスポーツを中断させ、硬性コルセットを厳格に装着させる。

選手の場合は不安が大きいため心理的アプローチも忘れずに行うことが重要

 

急性期を過ぎて骨癒合が期待できない場合には、痛みがなければスポーツを中止させる必要もないが、対症療法として分離部ブロック、消炎鎮痛剤、伸展防止装具などがあり、偽関節化例の手術には、関節間部の直接修復が行われることがある。

 

成人の場合

保存的治療では骨癒合効果は得られない

痛みがない場合や軽度の場合には、仕事やスポーツを中断する必要はない

 

鼠径部痛症候群の治療

鼠径部痛症候群はサッカー、陸上、ラグビー、ホッケーなどのスポーツで好発し、他の診断が除外され、鼠径部周囲の圧痛、運動痛、時に大腿内側や下腹部への放散痛を伴い、その痛みが下肢を伸展して挙上し、外転する動作で誘発されやすいなどの症状があるときに診断される。

 

治療としては、疼痛が強い場合には、疼痛部位の局部安静、長期的には運動療法を行う。

運動療法では、筋の拘縮に対するストレッチング、筋力低下に対する訓練、上肢から体幹、下肢を効果的に連動させる協調性運動の訓練を行う。
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