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運動器理学療法学実習vol.1~筋力の要因~

授業内容

はじめに

旧筋骨格系理学療法学、新カリキュラムでは水曜5限の授業内容をまとめる。

 

テキスト:理学療法評価学

 

授業概要

4月10日:筋力には筋張力関節トルクが影響する。

関節トルクについては既習だが少し触れ、主に筋張力の構成要素について講義する。

 

 

用語解説

まず、必要な用語解説から。

筋の運動の種類

  • 等尺性収縮(Isometric)関節の角度が変わらない、筋の長さが変わらない収縮、運動
  • 等張性収縮(Isotonic):何キロのおもりを上げ下ろしする、などの負荷の変わらない運動
  • 等速性収縮(Isokinetic)速度が変わらない運動
人でするには難しいので機械で測定し制御する

 

  • OKC(Open kinetic chain):末端が床面についていない、荷重のかからない運動
  • CKC(Closed kinetic chain):末端が床面についている、荷重のかかる運動

 

筋の収縮の種類

  • 等尺性収縮(Isom):バーベルなどのおもりを持って、キープしているときなど
  • 伸張性(遠心性)収縮(ECC;Eccentric):バーベルなどのおもりを肩外転0度で肘屈曲して持っている姿勢からの、ゆっくりとバーベルを下ろすときの運動など。筋を伸ばしながらの収縮
力を抜くと重力で勝手に落ちる。勝手に勢いよく落ちないよう、ゆっくり下ろしている→重力に逆らって筋力を発揮している。
重力に逆らい、ゆっくりと筋力を発揮するときは伸張性収縮
他にも、スクワットなども大腿四頭筋の伸張性収縮
  • 短縮性(求心性)収縮(CON;Concentric):筋を縮める運動。足首におもりをつけ、うつ伏せで膝を90度まで曲げるときなどは、ハムストの短縮性収縮。
90度以上は四頭筋のECCとなる

全ての角度でハムストのCONとするには、足首にチューブをかけると良い
立った姿勢で片足を上げていくのも、ハムストのCON。この場合は重力が負荷となる

 

「どの肢位で、どこを、どう動かすか」を指示しないと患者はわからない

「姿勢」を考えることが重要

 

 

筋力の要素

筋機能を決定する要因は以下の通り。(P.70~)

筋緊張に影響する因子として

  • 筋の構造(筋の断面積、筋の線維長)
  • 神経学的要因
  • 筋線維組成
  • 収縮時の筋長(関節の角度)

関節トルクに影響する因子として

  • モーメントアーム(関節の角度)

 

筋緊張の因子(教科書P.69)

直接筋張力は測れない

 

筋の断面積

筋張力の指標(筋張力と比例)

正確には、筋の生理学的断面積が筋張力と比例する
  • 解剖学的断面積(ACSA):周径などで測る、筋の断面積
  • 生理学的断面積(PCSA):筋繊維に対して垂直に測る断面積

以下の図(http://userweb.pep.ne.jp/mikami1/sports.htmより)では

 

紡錘筋の方が腱は短いが筋線維長は長く、羽状筋の方が腱は長いが筋線維長は短いことがわかる。

また、ACSAが等しいとき、紡錘筋はACSA=PCSAだが、羽状筋ではACSA<PCSAである。

 

アクチンミオシンの力が重なって付いている(エンジンが並列についている)方が強い。すなわち、羽状角のある方が筋張力が強い(45度までは)

人体には45度を超える羽状角をもつ筋が存在しないのであまり考えなくて良い
輪ゴムは束にすると伸ばすときとても固くなるけど、1本では固くならない、というイメージ

 

ところで、

パワー=力×速さ

なので、筋力(パワー)には、筋緊張(力)に加えて、速さも関係する。

 

筋線維長

筋線維長が長いほうが、収縮する速さが速くなる

筋節をエンジンとして、エンジンが直列に繋がっているイメージ。エンジンひとつにつき10秒速くなるとしたら、筋節が多い(筋線維が長い)紡錘筋の方が、エンジンの並行についている羽状筋よりも速く収縮できる。

紡錘筋は速く収縮することで筋力に影響する

 

紡錘筋と羽状筋

筋肉は全て同じではなく、構造によってある程度特性が決まる

上腕二頭筋(速さ)と外側広筋(力)とハムスト(速さ)と大腿四頭筋(力)と前脛骨筋(速さ)と腓腹筋(力)と…

と、力に特化した筋肉、速さに特化した筋肉がある。

 

P.72の図の見方

著作権保護のため図は載せません

1番左上のヒラメ筋:断面積下肢で最大だけど筋線維長は短い

左上は力発揮に優れる

縫工筋、薄筋など:筋線維長が長い

右下は速さ発揮に優れる

 

ただし特性はある程度決まっているというものの、筋肥大で断面積アップすることも、ストレッチで柔軟性上げるだけでなく速さを上げることもできる

 

以上をまとめると、以下の表になる。

生理学的断面積筋線維長
定義並列する筋線維断面積の総和(総サルコメア断面積)直列するサルコメア長
比例するもの張力筋線維の収縮速度
能力潜在的張力発揮潜在的収縮速度

 

筋線維長のもう1つの役割

アクチンミオシンは重なりすぎても伸びすぎても力が発揮できない

なので、筋線維長が長いほど、筋の至適長が長く、広い範囲(広い角度)で力を発揮できる。

 

動物実験で証明されているのいるのは、

ギブスなどの短縮位固定により筋節の数は減少し、ストレッチングにより増加する

すなわち筋線維長は伸ばせるということ。

現代ヒトでは調べられないがひとつだけ論文があり、そこでは効果ありと結論されている

 

P.79の図の読み方

著作権保護のため図は載せません
  • 筋線維長が同じなら、生理学的断面積が大きい方が常に(関節角度が変わっても)、運動の速さが変わっても、筋力(トルク)が大きい
  • 筋線維長が同じなら、伸張性筋力が最大、次に等尺性、次に短縮性
  • 筋長が同じなら、最大筋力は同じだけれど、筋線維長が長い筋肉の方が力発揮できる範囲(関節角度)が大きい
  • 速度を上げると四頭筋とハムストの筋力も入れ替わる

 

神経系の要因

中枢神経系による調節

  • どの運動単位を動員するか:recruitment

発揮する筋緊張が小さくても良いなら、動員する運動単位(motor unit)は少なくなる。発揮張力が大きくなるほど、運動単位の動員数が増える。

運動単位については神経系理学療法学を参考→https://harukams-medicalbeauty.com/ss2/

サイズの原理:1つの神経細胞が支配するα運動ニューロンが少ない順(神経支配比の小さい運動単位順)に動員されていくという原理

 

  • 個々の動員運動単位にどのような活動をさせられるか:rate coding

α運動神経細胞の発火頻度(firing rate)での調節機構。

強縮においては、ある一定の水準までは発火頻度が高くなるほど収縮力が加算され、それを超えると発火頻度を増大させても筋収縮力に変化が見られなくなる。

発火頻度の増大に伴い張力曲線はなめらかになるが、完全になめらかになる臨界点を融合頻度という。

融合頻度はFタイプ(速筋線維)の方がSタイプ(遅筋線維)よりも高い。

融合頻度が高いFタイプでは、収縮力を調節できる範囲がSタイプよりも広いため、より多様な収縮力調節を行うことができる。

Sタイプは、発火頻度が多少変動しても、収縮力への影響が少ないという利点がある。

発火頻度と発揮張力の関係は神経系理学療法学参考→https://harukams-medicalbeauty.com/ss2/

 

  • それらの複数の運動単位をどのようなタイミングで活動させるか:synchronization

運動単位の活動時相による調節。日本語で「同期化」。

神経細胞の発火タイミングがずれている(非同期化)と、なめらかな収縮が、タイミングがぴったり一致する(同期化)と、瞬間的に強い筋張力が発揮できる。

非常に強い筋収縮により振戦が起こるのも、同期的活動によるもの。

精神的な緊張時や疲労時に見られる振戦は、各運動単位の活動を非同期化する神経系のメカニズムの乱れ、あるいは筋線維の疲労による収縮力の低下を同期化により補おうとするメカニズムの乱れと考えられる。

 

末梢神経系による調節

運動の経過に伴い各運動単位に対し、どのようなフィードバック(活動修正)を行うか

 

筋線維組成

筋線維の組成は生まれつきある程度決まっている。

  • 速筋線維:足底筋、長趾伸筋など
  • 遅筋線維:ヒラメ筋、長内転筋など

不思議な特徴があり、それは、

  • 表層部筋:速筋線維の割合が高い
  • 深層部筋:遅筋線維の割合が高い

ということ。

 

いらない豆知識

ドーピング

  • ステロイドホルモン剤などによる筋断面積アップ
  • 当日、興奮剤などにより神経系の信号アップ

がある。

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まぁるいせかい管理人
haruka(はるか)

多発性硬化症+名前も研究中の希少難病などを併発した23歳女子。京大医学部中退。仕事は小説家とライターとカウンセラーと極秘。
今の夢はお嫁さんと福祉用具開発プロジェクトの成功☆
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