はじめに
この度「病は気から」であったり、「病気なんて気持ちの持ちよう」「難病でも治ると思えば治る」と頻繁に言われるため、「病は気から」という本を読んでみました。
以下ではその感想を綴らせていただきます。
構成
あとから気づいたのですが、今回読んだのは「角谷建耀知の病は気から」という本で、この角谷氏はわかさ生活の創設者なんですね。
本の構成は、角谷氏が病気を患ったり手術を受けたプロゴルファーやプロ野球選手、やなせたかしさんなど著名人にインタビューを行い、その抜粋を会話形式で記述するというものになっています。
感想
結論から言うと、この本はわかさ生活の宣伝の本です。
読む価値は、ほとんどありません。
インタビューを受けた中でも、
何の病気も患っていない人の言葉はあまりに薄っぺらいですし、綺麗事でしかありません。
また、「病は気からですよね」と角谷氏が問いかけ、「そうですね」と受け手が答える場面がめちゃくちゃ多いです。
まず角谷氏ですが、脳腫瘍で手術し目が見えづらくなった、ということで、健康食品会社を、特に「ブルブルブルブルアイアイブルベリアイ!」のCMで頭に残る企業「わかさ生活」を立ち上げたとの、角谷氏の苦労と創設意図がひたすら書かれています。
なので、なぜ「病は気から」をそんなに押すのかが全くわからなかったです。
本当に、わかさ生活がどんな思いで立ち上げられたのか、インタビューよりもそちらの解説の方が長いです。
ただし、読む価値が全くないかというと、そうでもありませんでした。
というのも、病気から立ち直りポジティブに活動されているインタビューの受け手の人に、
絶望しきった人でないと前は向けない
という共通点を見つけられたからです。
病気にかかったときに、
- わたし世界で一番不幸くらいに思って、
- 悲嘆にくれて、
- 八つ当たりの日々を過ごして、
- そして回復した人
は、
と、ポジティブに生きられるみたいなんですよね。
だから、わたしはわかりました。
そうすれば、泣きつかれたときに、回復したときに、きっと前を向けるんですよ。
だからわたしは、ご存知の方も多くいてくださるかと思いますが、絶望を詠います。
病は気から、というよりも、病にかかった後にどう行動するのか、それが大事だと思いました。
そしてもはや余談ですが、本の感想に戻るのであれば、この本は「病は気から」ではなく、「明るく生きるためにはまず心の底から今感じているつらさを叫べ!」が適切だと思いました。
今回読んだ本はこちらです↓